暮らしの疑問

猫の暖房はいつから?室温の目安と寒がるサイン、安全な使い方

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暖房を使う季節に猫が寝床でくつろぐ室内のイメージ

朝晩が冷えてくると、「猫のために、もう暖房をつけたほうがいいのかな」と迷いますよね。人はまだ平気でも、猫は寒くないのか気になる方もいるのではないでしょうか。

結論:猫の暖房は「何月から」と決めず、猫が過ごす場所の室温が20℃前後を下回り始めたら、寒がるサインや年齢・体調を見ながら検討します。暖房器具は猫に直接当てず、離れられる場所を残して使いましょう。

この記事では、室温の目安とその根拠、寒がるサイン、子猫やシニア猫の注意点、留守番中の安全な使い方の順にまとめます。

猫の暖房はいつから?室温20℃前後を下回り始めたら検討します

時期ではなく室温で決める理由

猫の暖房を始めるきっかけは、カレンダーより室温で決めるのがおすすめです。同じ時期でも、地域や住まいの断熱、日当たり、部屋の場所によって室温は変わるため、「何月になったから」という決め方では、寒い日を見落としたり、必要のない日まで暖めすぎたりしやすいからです。

目安になるのは、室温20℃前後です。パナソニックの猫向けエアコン解説では、監修した獣医師の経験として、室温20度以下では猫が寒さを感じているとされています。また、三菱電機の解説では、獣医師の茂木千恵先生の話として、21℃未満では猫が体温を維持しにくくなるため、冬に設定温度をそれより下げることはすすめられないとしています。

どちらも「この日からつける」という開始日ではなく、猫が寒さを感じやすくなる温度の目安です。実際には、次の順で考えると迷いにくくなります。

  1. 猫がよくいる場所の室温を確かめる
  2. 20℃前後を下回る日が出てきたら、猫の様子を注意して見る
  3. 寒がるサインがあれば暖房をつけ、はっきりしなければ寝床の保温から始める

設定温度の目安は出典によって幅があります

暖房をつけたあとの温度は、ひとつの数字に決まっているわけではありません。確認できた主な目安を並べると、次のようになります。

出典 目安 何を示した数字か
ペトコト(獣医師 佐藤貴紀先生監修) 20℃前後 暖房の設定温度の基準。猫の様子を見て調整
パナソニック(獣医師 宮下ひろこ先生監修) 21〜24度 冬のエアコン設定温度の目安
イオンペット 23〜25℃ 冬に猫が過ごしやすい温度の一つの目安

表のとおり、エアコンの設定温度として示したものと、猫が過ごしやすい温度として示したものがあり、同じ意味の数字ではありません。どれか一つが正解というより、低めの目安から始めて、猫の様子で調整するための幅と考えると使いやすくなります。

また、エアコンの設定温度と、猫のいる場所の実際の室温は同じとは限りません。設定を上げる前に、まず温度計で寝床のまわりが何度になっているかを確かめてから、少しずつ上げ下げしてみましょう。

室温は猫が過ごす場所で確かめます

室温を確かめるときは、人が座る位置ではなく、猫がよく過ごす場所の近くに温度計を置きます。猫が休む場所は、人がくつろぐソファやテーブルのまわりと離れていることがあるためです。

たとえば、寝床やキャットタワーの近く、よく丸まっている部屋の隅などに置くと、猫が実際に過ごしている温度に近い数字を見られます。

確かめるタイミングは、朝起きたとき、夜寝る前、出かける前を目安にすると、冷え込みやすい時間帯を見落としにくくなります。パナソニックや三菱電機の解説でも、室温をこまめに確認することがすすめられています。

測った数字をしばらく見比べると、「朝は20℃前後を下回る」「夜まで暖かい」など、わが家の冷え込み方がわかってきます。朝に下回る程度の時期なら寝床の保温から、日中も下回るようになったら暖房を使う時間を増やす、というように、始め方を段階的に決めやすくなります。

室温に加えて、猫の様子と年齢・体調も見ます

寒いときに見せるサイン

室温の目安に加えて、猫の様子も大切な判断材料です。イオンペットのコラムでは、猫が寒いときのサインとして次のような行動が挙げられています。

  • 身体を丸めてじっとしている
  • あまり動きたがらない
  • 毛を逆立てている
  • 水を飲まなくなる
  • 細かく震えている
  • 飼い主などに寄り添おうとする

体を丸めるのは外気に触れる表面積を減らして熱を逃がさないため、毛を逆立てるのは毛の間に空気の層を作って体温を保つためと説明されています。

ただし、丸まって寝るのがいつもの姿勢という猫もいます。一つの行動で決めず、普段の様子と比べて、いくつか重なっていないかを見ると判断しやすくなります。

暖かい部屋に移しても震えが止まらない、ぐったりして食欲がないなど、普段と明らかに違う様子があるときは、家で様子を見続けず、早めに動物病院へ相談しましょう。

暖房をつけても寒がるときの見直し

猫が離れられる空間を残して毛布と寝床を整える様子

エアコンをつけているのに猫が丸まって寒そうにしているときは、まず室温を見直します。パナソニックの解説では、その場合に室温を見直したうえで、ドーム型の猫用ベッドやホットカーペットの併用を検討するよう紹介されています。

見直すときは、次の順で進めると原因を絞りやすくなります。

  1. 猫がいる場所の室温を測り直す
  2. 寝床の場所を、暖房の効いている部屋の中へ移す
  3. 潜り込めるベッドや毛布を足す

ペトコトでは、部屋を暖めすぎず、防寒グッズを置いて猫自身が調整できるようにする考え方が示されています。部屋の温度を上げ続けるより、暖かい寝床と少し涼しい場所の両方があるほうが、猫が自分で選べて安心です。

子猫・シニア猫・持病のある猫は早めに確認します

子猫やシニア猫、持病のある猫は、室温が目安を下回る前から早めに様子を確かめてあげましょう。パナソニックの解説では、子猫やシニア猫は体温調整の機能が十分ではないこと、持病のある猫は若く健康な猫より体温を維持するのが難しいことがあるとされています。

子猫については、栄養が十分に取れていないと低体温になりがちとも説明されています。ケージやベッドにタオルを敷くなど、過ごす場所ごとに温める工夫も紹介されています。

シニア猫については、ペトコトで、寒暖差で体調を崩すことがあるため温度管理に特に注意が必要とされています。日中は暖かくても明け方に冷え込む部屋では、夜から朝にかけての室温も確かめておくと安心です。

持病があって、かかりつけの獣医師から温度について指示を受けている場合は、この記事の目安よりも獣医師の指示を優先してください。

暖房器具を猫と安全に使う条件

直接当てず、離れられる場所を残します

暖房器具を使うときに大切なのは、熱源を猫の体に直接当てないことと、暑くなったら自分で離れられる場所を残すことです。パナソニックの解説では、猫は熱さに鈍感でやけどに気づかないことがあるとして、ストーブやヒーター、ホットカーペットが体に直接当たらないよう注意されています。

特に気を付けたいのが低温やけどです。ペトコトでは、電気カーペットや湯たんぽ、カイロなど体温より高いものに長時間触れ続けると低温やけどが起こり、猫が離れない場合は定期的に離すようすすめられています。

  • 向く使い方:寝床の一部に敷き、温かくない場所も残す。猫が近づけるヒーターはサークルなどで囲う
  • 向かない使い方:猫が熱源から離れない状態を長く放っておく。ヒーターの正面に寝床を置く

イオンペットのコラムでも、ペット用ヒーターやお湯を入れる湯たんぽは、原則として飼い主がいるときに使うようすすめられています。

留守番中はヒーター類を切り、エアコンと寝床で補います

留守番中は、猫が熱源に近づきすぎても気づけません。ペトコトでは、猫が留守番する際はヒーターや電気カーペットの電源を必ず切り、防寒グッズでは足りないほど寒さが厳しい場合はエアコンを使うようすすめています。イオンペットのコラムでも、火災を避けるため外出中は暖房器具のスイッチを切り、マットや毛布をかけた段ボール箱などで温める方法が紹介されています。

出かける前は、次の順で確認しておくと安心です。

  1. ヒーターや電気カーペットの電源を切る
  2. 猫のいる場所の室温を確かめ、寒い日はエアコンで部屋を暖める
  3. 潜り込める寝床や毛布を用意する
  4. エアコンをつけて出かける日は、リモコンを猫の手が届かない場所へしまう(イオンペットのコラムで、誤操作を防ぐポイントとして紹介されています)

熱くなる部分に猫が触れられる器具は、目の届かない留守番中には向きません。留守番中は、出典ですすめられているエアコンと暖かい寝床の組み合わせを基本にしましょう。

火災やコードの事故を防ぐ置き方

NITE(製品評価技術基盤機構)の注意喚起によると、2013年度から2022年度までの10年間に、ペットによる製品事故は61件あり、そのうち54件が火災に至っています。多かったのはこんろのスイッチを押した事故ですが、電気製品への排尿や電源コードをかんだ事故もあるとされています。

NITEは、暖房器具の周りに可燃物やペットの興味を引く物を放置しないこと、使わない電気製品はプラグを抜いてペットの行動範囲外に保管すること、目を離すときや出かけるときはケージに入れることを挙げています。

ヒーターのそばに毛布やおもちゃを置かない、使っていない暖房器具のコードは抜いて片付ける、といった置き方から見直してみましょう。

暖房と一緒に見直す湿度・水・トイレ

湿度の目安と乾燥対策

暖房を使い始めたら、湿度もあわせて確認します。パナソニックの解説では猫に適した湿度の目安はおおよそ40〜60%、三菱電機の解説では猫と過ごす部屋の湿度は50〜60%がおすすめとされています。二つの範囲は重なっているため、迷ったときは50〜60%に収まっているかを見ると、どちらの目安からも外れにくくなります。

湿度を気にするのは、乾燥が体調に関わるためです。ペトコトによると、猫の粘膜まで乾燥するとウイルスが体内に入りやすくなり、体調を崩すきっかけになるとされています。対策としては、加湿器を使うほか、濡らしたバスタオルを室内に干す方法も紹介されています。

温度と湿度を一緒に表示できる計測器を猫の居場所の近くに置くと、両方を一度に確かめられて手間がかかりません。

水飲み場とトイレを寒い場所に置きません

暖房を考えるときは、家の中の寒い場所に水飲み場やトイレがないかも見ておきましょう。パナソニックの解説では、寒い場所に水飲みやトイレがあると猫が近づかなくなり、水分不足や脱水につながるおそれがあるとして、水飲み場とトイレも暖かく保つようすすめられています。

イオンペットのコラムでも、寒いときのサインの一つに水を飲まなくなることが挙げられています。

廊下や玄関の近くなど、暖房の届きにくい場所に置いている場合は、猫がよく過ごす暖かい部屋の近くへ移すことも考えてみてください。場所を変えるときは、一度に動かさず、猫が新しい場所に気づけているかを見ながら進めると安心です。

まとめ:猫の暖房は室温とサインで始めます

猫の暖房は、月で決めるより、猫が過ごす場所の室温と様子で決めるのが基本です。最後に、判断の順番を振り返ります。

  • 猫のいる場所の室温が20℃前後を下回り始めたら暖房を検討する
  • 寒がるサインや、子猫・シニア猫・持病の有無も合わせて判断する
  • 器具は直接当てず離れられる場所を残し、留守番中はヒーター類を切る
  • 湿度・水飲み場・トイレもあわせて見直す

ひとつの数字に無理に合わせなくても大丈夫です。温度計と猫の様子を見ながら、わが家の猫に合う暖かさを探してみてください。

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