最近、スーパーなどに買い物に行くと以前よりも野菜の値段が上がってる…なんて思ったことはないでしょうか。
現在、野菜によっては以前の値段の2倍以上しているものもあるくらい、野菜の値段が高騰しています。その原因の一つと言われているのがラニーニャ現象です。
あまり普段は聞かない言葉ですよね。今回はそのラニーニャ現象の発生状況や影響はどのようになっているのでしょうか。
ラニーニャ現象とは?エルニーニョ現象との違い
まずは、ラニーニャ現象についてご紹介します。
ラニーニャ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より低い状態が続く現象のことを言います。
逆に海面水温が平年より高い状態が続くことをエルニーニョ現象と言います。それぞれ数年おきに発生し、1~3年程度続くとされています。
これらの現象が発生すると、日本を含めて世界中に異常気象をもたらします。
ラニーニャ現象が発生している時には、東からの風が平常時よりも強くなり、西の方(インドネシア近海)に温かい海水がより多く蓄積され、逆に東部(南米近海)では冷たい海水の沸き上がりが平常時より強くなります。
このため、太平洋赤道域の中部から東部では、平常時よりも海面水温が低くなっています。西部のインドネシア近海の海上ではラニーニャ現象が発生しているとき、積乱雲がいっそう盛んに発生しています。
ちなみに「ラニーニャ」とは、スペイン語で「女の子」という意味です。
なぜ女の子なのか気になったりしませんか?
それにはエルニーニョ現象が関係しています。
毎年クリスマス頃に現われる小規模な暖流のことをエルニーニョと呼びますが、エルニーニョという言葉は男の子をさしています。
この事から、その反対現象という事で女の子という意味のラニーニャと名付けられています。
ラニーニャ現象が起こる原因は?
では、なぜラニーニャ現象は発生するのでしょうか。
実は発生する原因は明確には分かっていません。地球温暖化による影響だという説がありますが、まだハッキリとしていません。
一般的には地球温暖化、もしくは他の何らかの影響により赤道域付近に吹く貿易風という東風が強くなりラニーニャ現象は発生すると考えられています。
そして、先程も述べたようにこの強い東風が西部の海面水温上昇、西部の海面水温低下をもたらし、結果的にラニーニャ現象を発生させます。
ちなみに、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけての海面水温が平年より5度以上低くなる期間が6ヵ月以上続くとラニーニャ現象が発生したと判断されます。
ラニーニャ現象について少しずつメカニズムは解明されていますが、まだまだ分からないことも多くあるのが現状です。
今後起きる影響は何がある?
最後に、ラニーニャ現象がもたらす影響を詳しくみてみましょう。
ラニーニャ現象は、猛暑と厳冬をもたらすとされています。
過去には2013年のラニーニャ現象の際、日本で記録的な猛暑が各地で続き、東京では最低気温30.4度の「スーパー熱帯夜」、高知県四万十市で41.0度の酷暑を記録したのも記憶に新しいですよね。
その猛暑が続くと農作物や畜産物にも多大な影響が出ます。暑さによって収穫量が減少する可能性があります。雨量が十分にあれば心配はありませんが、雨が降らなかった場合は秋に野菜の値段が上がってしまいます。
また、熱中症により畜産物が死んでしまったり、海面水温の上昇により魚が取れなくなることもあります。2010年にはラニーニャ現象の影響によりサケが不漁となったり、養殖の貝類が死滅する現象も起こりました。
実はラニーニャ現象が発生したからといって必ず猛暑になるとは限らないようです。そこがラニーニャ現象の難しいところでもありますね。
また冬も厳冬になると言われていますが、昨今の気象状況では今年もどうなるか定かではありません。
まとめ
今回はラニーニャ現象についてご紹介しました。
普段はあまり聞きなれない言葉ですが、知っておくとニュースなどで聞いた時に分かりやすいのではないでしょうか。
実際に私たちにも影響することなのでぜひ知識として覚えておき、その後の熱中症対策などに役立ててもらえたらと思います。