秋の味覚である柿は、サクッとした触感にじんわり広がる果汁がたまりません♪
「柿赤くなれば医者青くなる」とも言われ、とても栄養のある食べ物でもあります。
しかし、柿を食べると便秘になるという話を聞いたことはありませんか?
反対に、便秘が解消されるとも聞きますね。
さて、どちらが正しいのでしょうか。今日は、その謎に迫ります。
柿で便秘解消できるの?
柿で便秘は解消できるのでしょうか。
結論から言うと、柿の便秘に対する効果は良い面と悪い面、両方をもっています。
柿に豊富に含まれている、ビタミンCやカロチン、食物繊維は便秘解消に効果があります。
しかし、気を付けたいのが、タンニンという成分です。
タンニンにはギブオールという成分が含まれており、これには、血管や細胞を収れん作用があります。
それが腸に膜を張ってしまうことがあります。そのため、腸の動きが弱まってしまい、便秘の原因にもなります。
しかし、安心してください。腸の動きを弱めるほどタンニンが含まれているのは、「渋柿」です。
渋柿を普段はあまり食べることはないかと思いますが、腸の動きを抑えて便秘の原因になりますので、食べないように注意しましょう。
タンニンは、その性質を利用して下痢止めなどにも使用されています。
便秘に特に効果があるのが干し柿です。
柿を干すことによって、ビタミン類やカロチンが増幅されるので便秘解消に効果が期待できます。
柿の栄養素の効能とは?
柿の特徴はビタミンAとCが豊富に含まれているところにあります。
ビタミンを取ることは免疫力を高める効果がありますので、風邪や二日酔いの予防、またほどよく肺を潤すので咳止めの効果も期待できます。
また、葉の部分にもビタミンCは豊富です。葉はお茶にして飲むとよいでしょう。
よく洗った葉をもみ、蒸し器で数分蒸したらザルにあげます。水分を切ったら細かく刻んで乾燥させます。これを普段の急須などでお茶として飲みましょう。
利尿作用や新陳代謝を促す効果もあるので、生活に取り入れるだけで動脈硬化や高血圧の予防にも役立ちます。
また、中国では、鼻血の止血に柿のヘタの部分が使われているそうです。
どうやって使用するのかイメージが湧きませんが、身はもちろんのこと、葉やヘタまで使えるとは、医療が不十分だった昔の人にとっては万能薬のような役割だったのでしょう。
医者が青くなるといわれるのもわかる気がしますね。
しかし、柿には欠点もあります。
それは体を冷やしてしまう作用があることと、柿に含まれるタンニンが体内の鉄分と結びつくことによって、貧血気味になるといわれていることです。
体を冷やすので、熱を下げたりするのに効果的と思いがちですが、もともと冷え性の人には逆効果となります。
柿の賞味期限。どこで保存する?
段ボールなどで大量に手に入ることも多い柿ですが、一体どのように保存するのがよいのでしょうか。
また、どの程度日持ちするのでしょうか。ここでは、柿をおいしく食べる方法をご紹介します。
柿がまだ熟していないようであれば、直射日光を避けた涼しい場所に保管しましょう。
乾燥を防ぐため、新聞紙などで1つ1つ包むのも◎です♪
ただし、常温ではどんどん熟して柔らかくなっていきますので、長期保存するのであれば、冷蔵庫の野菜室に入れましょう。
柿の日持ちは熟す前のもので常温約10日程度、冷蔵庫で2~3週間ほどです。
2~3日で徐々に熟してくるので、シャキシャキした触感がお好みの人はなるべく早く食べるようにしましょう。
あまりに熟しすぎてどろどろになってしまった柿はシャーベットするのがおすすめです。
熟した柿の皮をむき、タッパーに入れてそのまま冷凍庫へ。3時間くらいしたらいったん取り出して、柿を崩してさらに冷やし固めれば出来上がり♪
剥いた皮は白菜や大根の漬物に一緒につけて一晩置くと、ほどよいフルーティーな甘みが出ておいしくなります。
また、煮魚を作るときに一緒に鍋に投入するだけで、甘味の効いたやわらかい煮魚の完成です。ぜひ、お試しください。
最後に
柿は学名で、「ディオスピロス・カキ」といいます。なんだかかっこいい名前ですね。
ギリシャ語でディオスは「神の」、ピロスは「贈り物」という意味があり、神からの贈り物なんてなんだか素敵な響きですね♪
日本では北海道を除いて各地で収穫ができます。奈良時代からすでに作られていていたそうで、常に我々のそばにいたのですね。
あの小さなオレンジの物体に様々な歴史が詰まっているなんて、見る目が変わってしまいそうな気がします♪そんな柿を、味わってみてはいかがでしょうか。